コントラバス奏者 ひらてぃ~のブログ

コントラバス奏者・ピアニスト・指揮者として活動している平田昭浩のBlog

ジョン・ケージの4分33秒

アメリカ大統領選挙の結果は、まだまだ決まらないようなので、

今日は音楽家らしく、音楽のことを書きます。

 

先日、ベルリン・フィルが、ロックダウン前の最後の公演のアンコールで、

ジョン・ケージ作曲「4分33秒」を演奏したのだとか。

その時の模様、公式YouTubeアカウントから見ることが出来ます。

 

見ればわかるのですが、演奏者は音を出しません。

4分33秒間、演奏者は無音状態ですが、

その場で聞こえる様々な環境音、その全てが音楽となるという、

不確実性の音楽、あるいは偶然性の音楽といった概念でしょうか。

ベルリン・フィルは、この作品を「沈黙」として解釈して、演奏(?)したのですけども、

作品本来の意味とは少し違うような気もしています。

作品そのものを詳しく論じている記事はこちらをご覧ください。

 

でも、解釈は広がるものなのです。

現在のコロナ禍の状況、こういった音楽家によるメッセージは、十分意味があると思います。

だってねえ、ヨーロッパは再び新型コロナウイルス感染が拡大して、ロックダウンという状況になってしまったからです。

こういう時、音楽家はどうあるべきなのか、まるで無言のメッセージを発出しているように見えてきます。