この人物名、ドイツ語圏で使われる姓の名称。
私のような音楽家には、避けて通れない姓の名称です。
どうしても、ワルツ王のヨハン・シュトラウス一家が名前として浮かんできます。
そりゃまあ、あれだけ新年にニューイヤー・コンサートを見れば、そうなりますね。
私もこれまでにどれだけの作品を演奏してきたことか。
でも、私が気にしたいのは、最近ではむしろリヒャルト・シュトラウスの方。
先日のBlogでメタモルフォーゼンを取り上げましたが、
あの作品、リヒャルト・シュトラウスの作風から見れば、かなり異色の作品。
あんなに暗い作風の曲、彼にはあまりないのです。
じゃあ、彼の作風で楽しい作品は?
私の気になっている作品は、交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯」
14世紀北ドイツの伝説の奇人ティル・オイレンシュピーゲルの物語を音楽にした作品。
工夫をすれば、ちょっとした音楽物語にもなるような、楽しい作品。
演奏時間もそんなに長くなくて、15分はかかるくらい。
でもねえ、リヒャルト・シュトラウスの作品、どれも弾くのは難しいのですよ。
それに、どの作品もオーケストラの楽器編成が大きくて、
常設のプロオーケストラとか、団員数の多いアマチュアオーケストラとかでないと、演奏することはなかなか困難かと。
私が近年関わっているオーケストラ活動は、比較的小規模から室内管弦楽団くらいのケースがほとんどなので、演奏に関わることは皆無に等しいのです。
おや、待てよ、そんなに物理的なハードルが高いのだったら、
思い切って少人数で演奏できるようにしたらいいじゃないか。
なんて思ったのかどうかは知りませんが、
オーストリアの作曲家、フランツ・ハーネゼール(1885-1970 なので、今年没後50周年でした。ちなみに、私は生誕50周年!)が
曲の長さを半分くらいにして、
楽器編成もヴァイオリン、コントラバス、クラリネット、ファゴット、ホルンの5人編成にして、編曲作品を書きました。
タイトルは「もう一人のティル・オイレンシュピーゲル」(Till Eulenspiegel - Einmal Anders!)
これなら気軽に使える!
演奏者も5人で済むなんて、なんて経済的!
なんて思ったのですけども、演奏技巧はやっぱり難しいです。
どの楽器も大変な見せ場がいっぱい!
そして、そのどれもが効果的な音なのです。
なので、絵本のイラストを使ったり、語りを導入しての演奏なんて、素敵じゃありませんか?
これからの時代、そんな新たな可能性も考えてみたくなります。