コントラバス奏者 ひらてぃ~のブログ

コントラバス奏者・ピアニスト・指揮者として活動している平田昭浩のBlog

通奏低音をピアノで弾くにはどうする?

本日、とある発表会にて、ピアノ伴奏業務でした。

 

本日の演奏曲、バロック音楽が3曲ありました。

テレマン、ヴィヴァルディ、バッハと並んだのですが、

私なりに、今回考えてみたのが、通奏低音をピアノで弾くにはどうしたらいいのかということ。

 

まあ、ピアノの楽譜があるのですから、楽譜通りに弾けばいいとは、まさにそのとおりなのですが、

どうも、バロック時代の様式から逸脱していたように思う私。

とはいえ、弾く楽器はチェンバロではなくピアノ。

チェンバロの左手をなぞるチェロもありませんから、

ピアノでそのまま再現することは不可能。

そこで、私なりに以下のように考えて弾いてみました。

 

・左手のパッセージを右手よりもクリアに弾いてみる

 右手に書かれてあるパッセージは、本来数字のみ記述の部分で、いわゆる即興の部分。

 そこをあまり強く弾いても、ピアノだとソリストのパッセージをかき消す恐れがあると思い、

 思い切って、左手を重要視することとして、右手はかなり弱く弾いてみたつもり。

 そして、ダイナミックスを付けてみるのも、左手でなるべく変化を付けてみることとしたのでした。

 

・思い切って、右手のパッセージを弾かない

 弦楽合奏の部分をピアノで弾いた後、ソリスト通奏低音だけの部分があったのですが、

 その後、ソリスト弦楽合奏がいろいろと絡むパッセージもあったことから、

 コントラストを付けるべく、勇気を持って右手を弾かないということをしてみました。

 じゃあ、和音が無くなってしまい、曲が貧相になるのではと思われますが、

 案外、左手のバス声部とソリストの音だけで和声感が出せると思い実行。

 

 

私なりに通奏低音をピアノで弾く方法を上記のように考えながら、今日は弾いてみたのですが、

今日は完全に黒子に徹したつもりの私だったので、

誰かに「通奏低音の部分、どうだった?」と感想を聞いても、

「は?そんなん、知らん!」と言われることが確実。

今日の成果はどうだったのか、現状では分析の方法はないのですけれども、

私としては、今日の演奏で収穫の感触はあったので、

今後も自分自身の術として身につけておくつもり。

でも、次にピアノでバロック音楽を弾くことって、あるのかなあ?