来月、コンチェルトを集めた演奏会にオーケストラの一員として出演します。
プログラムは古典派の有名な協奏曲が3曲。
プログラムの中に、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲第5番「トルコ風」があります。
もしもの事前学習(?)に、こんな演奏はいかがですか?
この曲の第3楽章にはチェロとコントラバスにこんな表記が。
「col legno」
これ、イタリア語で「木で」という意味。
すなわち、この表記が出てきたら、弓の毛で弾くのではなく、弓の木の棹の部分を叩いて演奏するというもの。
多分ですが、モーツァルトは、作曲当時流行したトルコ音楽を描写したく、
チェロとコントラバスに打楽器的な効果を求めて、トルコ音楽の基本リズムを示したかったのでしょうねえ。
ここで音楽家としてはあり得ない爆弾発言をいたします。
私も過去にこの曲と弾く時、申し訳ないのですが、この col legno 部分を弾くのは凄く嫌でした。
だってねえ、木の部分を弦に叩くのですよ!
大切な弓が傷つくではありませんか!
弓も決して安価なものではありませんからね。
もしも折れたり壊れたりしたら、誰が弁済してくれるのですか!
モーツァルトさんは無責任だ!
ところがです。
今回の演奏会で頂いた楽譜、よく使われるベーレンライター版とは違う版だったのですが、
なんと、この col legno の指定がどこにも書かれていないのです。
「お、今回はしなくていいのかな?」なんて思っていますが、
お客さんの立場で聞いていたら
「こら、ちゃんと木の音を出さないといかんだろうが!」
とお怒りになることも。
さあ、今回はどうするのでしょうか?
答えは10月8日(金)に、大阪・いずみホールでわかりますよ。
ご来場をお待ちしております。