コントラバス奏者 ひらてぃ~のブログ

コントラバス奏者・ピアニスト・指揮者として活動している平田昭浩のBlog

col legno

来月、コンチェルトを集めた演奏会にオーケストラの一員として出演します。

プログラムは古典派の有名な協奏曲が3曲。

 

プログラムの中に、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲第5番「トルコ風」があります。

もしもの事前学習(?)に、こんな演奏はいかがですか?

youtu.be

 

この曲の第3楽章にはチェロとコントラバスにこんな表記が。

「col legno」

これ、イタリア語で「木で」という意味。

すなわち、この表記が出てきたら、弓の毛で弾くのではなく、弓の木の棹の部分を叩いて演奏するというもの。

 

多分ですが、モーツァルトは、作曲当時流行したトルコ音楽を描写したく、

チェロとコントラバスに打楽器的な効果を求めて、トルコ音楽の基本リズムを示したかったのでしょうねえ。

 

ここで音楽家としてはあり得ない爆弾発言をいたします。

私も過去にこの曲と弾く時、申し訳ないのですが、この col legno 部分を弾くのは凄く嫌でした。

だってねえ、木の部分を弦に叩くのですよ!

大切な弓が傷つくではありませんか!

弓も決して安価なものではありませんからね。

もしも折れたり壊れたりしたら、誰が弁済してくれるのですか!

モーツァルトさんは無責任だ!

 

ところがです。

今回の演奏会で頂いた楽譜、よく使われるベーレンライター版とは違う版だったのですが、

なんと、この col legno の指定がどこにも書かれていないのです。

「お、今回はしなくていいのかな?」なんて思っていますが、

お客さんの立場で聞いていたら

「こら、ちゃんと木の音を出さないといかんだろうが!」

とお怒りになることも。

さあ、今回はどうするのでしょうか?

答えは10月8日(金)に、大阪・いずみホールでわかりますよ。

 

ご来場をお待ちしております。