バッハの「G線上のアリア」をコントラバス独奏で弾く予定です。
実は、この曲のことを今年の5月にこのBlogでいろいろと書いています。
ところが、今度出演予定の公演では、良く知られたいわゆる「G線上のアリア」ではない作品を弾くのです。
どういうこと?
19世紀イタリアのコントラバスヴィルトゥオーゾで作曲家で指揮者だったのが、
ジョヴァンニ・ボッテジーニ。
彼の作品で”Meditazione (Aria di Bach)”というものがあるのですが、
これが「G線上のアリア」と呼ばれる元となった作品である
「管弦楽組曲第3番」より第2曲「Air」から、コントラバスとピアノのために編曲されたものなのです。
つまり、今回はこれを基本にして弾くということなのです。
コントラバスを弾いてもうかなり長いキャリアになる私なのに、
このボッテジーニによる編曲版の存在、認識不足でした。
「そういえば、そんな作品があったかなあ?」みたいな不勉強な私だったのです。
バッハのアリアを演奏する場合、これまではなんの迷いもなく
「G線上のアリア」をそのまま弾いていたのでした。
ところが、ひょんなことからボッテジーニ版の楽譜を見ていると
「一度、試してみようか」と思うように。
まだ自宅で弾いている段階ですが、
このボッテジーニ版、楽器がよく鳴る感覚になります。
練習していて気持ちがとてもいいのです。
そして、今回の演奏では、ボッテジーニ版にない工夫も織り交ぜます。
その中身は?
それは当日のお楽しみに。
この試み、私の中ではなかなか味わい深く、
上手くいけば、今後の演奏活動に採用する版となりそうです。