コントラバス奏者 ひらてぃ~のブログ

コントラバス奏者・指揮者・ピアニストとして活動している平田昭浩のBlog

ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲のカデンツァ

今月初めに以下の公演があり、この公演の内容に私は気になっていたのでした。

www.tmso.or.jp

 

気になったのはベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲。

この曲、カデンツァはベートーヴェン自身の手で残されていないので、

いろんな人によるカデンツァが存在することとなり、

これが楽しみで聞きに行くという方もいらっしゃることでしょう。

気になっていた公演のカデンツァ、日本初演だったようです。

 

上記のサイトを見ると、カデンツァの作曲者は現代ドイツの作曲家イェルク・ヴィトマンによるもの。

なかなか斬新なものだったようで、公演後は賛否両論だったようですね。

どんなものだったのか、調べていると、別のオーケストラによる演奏が動画で公開されていました。

これを基に視聴してみることに。

youtu.be

 

第1楽章のカデンツァは19:26から。

なかなか現代風な調べに、ティンパニソロやコントラバスソロまで登場。

コントラバス奏者の私は思わず目が点に!

24:17でカデンツァが終了のようなのですが、実はそのままコンサートマスターとフルートがカデンツァの残像かのごとくに別のパッセージを演奏という斬新なもの。

第2楽章のカデンツァは35:11から39:47まで。

ここはコンサートマスターとの丁々発止が展開されるもの。

第3楽章のカデンツァは46:15から49:22まで。

ここもティンパニソロとコントラバスソロが絡んできます。

 

こんなカデンツァ、今の私はとても好きです。

なんと楽譜が販売されていました。以下のサイトにあります。

https://www.schott-music.com/en/cadenzas-noc450030.html

 

それにしても、なんで古典派のベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲に、こんなにもいろんなカデンツァがあるのだろうか?

私が所有しているCDにシュ二トケのカデンツァがついているものがあり、これなんかもなかなか斬新で、やっぱりティンパニが入り、オーケストラのヴァイオリンパートがクラスターのように絡んでくるところもあるし。

こうなるには理由がちゃんとあるのですよ。

その原因はベートーヴェン自身にあるのです。

 

ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲は、後に作曲者自身によってピアノ協奏曲 ニ長調 Op.61a として編曲されていますが、

その第1楽章のカデンツァにティンパニが登場するという、当時ならとんでもないことをベートーヴェンがしていたからなのですね。

では、どんなカデンツァをベートーヴェンが書き残していたのか、参考までに演奏動画を貼り付けておきます。

第1楽章のカデンツァは18:34から23:56まで。

youtu.be

 

今の時代で聞いてみたら、なるほどベートーヴェンらしいとは思いますが、

演奏当時はみんなびっくりしただろうなあ。

そして、今の時代になっても、びっくりするようなカデンツァが生まれてくるのです。

時を経て作品は変化していくのですね。