シューベルトのアルペジオーネ・ソナタは、私にとって大変に思い出深い曲。
私がドイツ短期留学中にこの曲の演奏体験がなかったら、
きっと音楽家にはなっていなかったでしょう。
大変にこだわりを持っているこの曲、
10年前に、こんな文章を残していました。
10年前にこの曲をコントラバスで演奏して以来、
実はピアニストとして何度か弾いてはいますが、
しばらくの間、封印していました。
理由はいくつかあるのですが、
大きな理由の一つがチューニング。
コントラバスのソロで扱われるソロチューニング(通常の調弦よりも長2度高い)で演奏しないといけない作品なのですが、
そのソロチューニングの音が私にはどうもしっくりこないし、
なんだか楽器にも合わないようで、
ここのところのソロ活動は全てオーケストラチューニング(通常のチューニング)で行っていることから、
この作品はお蔵入りとなったのでした。
ピアニストとしてこの曲に接していると、なんだかとても幸せな気分に。
そうねえ、ドイツリートのピアノパートを弾いている感触。
ピアノにとって、技巧的には難しくない曲ですけれども、
どの音にも神経を集中させないといけないプレッシャーがあって、
私はこの曲をピアニストとして弾く時はかなりの気合が入ります!
ところで、コントラバス奏者としては10年間封印してきた作品でしたが、
ふとしたことで、今は演奏欲が湧いてきました。
でも、今度は違う形で取り組みたいのです。
ピアノのパートをギターで扱った演奏です。
フルートとギター、ヴィオラとギター、チェロとギター、みたいなパターンは知っていたのですが、
先日、コントラバスとギターのパターンの演奏動画を見つけてしまいました。
ただ、第1楽章だけですが。
この曲のよくあることが「ソロと伴奏」みたいな感じの演奏が見受けられること。
ギターと演奏することによって、なんだか二重奏をしているように感じられますし、
コントラバス奏者としてはヴォリュームでピアニストに気を使ってもらう必要がなくなります。
むしろ、コントラバスが音量をセーブしないといけなくなるかも?
いずれにせよ、コントラバスとギターという組み合わせは、案外いいことがわかりました。
さあ、あとは私にソロチューニングを復活させる気持ちが必要。
だって、そのための練習をしばらくしていませんでしたからねえ。
それと、ギタリストを探さないとね。