長く演奏活動をしていると、よく遭遇することがあるのが、曲が終わっていないのにお客さんが拍手をしてしまったシーン。
曲の途中なのに拍手をしてしまって、実はまだ曲が続くということを知ってしまったら、ちょいと恥ずかしくなってしまうものです。
「え、まだ曲が続くの?」「終わりと思ったのに」「しまった、やっちまったなあ」
そんな思いが頭の中を巡らしてしまうことでしょう。
ところが、曲によっては拍手のフライングを誘発させる仕掛けのものがあります。
ハイドンの交響曲第90番 ハ長調 より第4楽章の終わりの部分。
次の演奏動画でご説明いたします。
youtu.be
動画の24:40で、曲は終わったように聞こえます。
事実、会場のお客様は拍手をしてしまっていますが、これはまだ曲は終わっていないのです。
ハイドンは楽譜には4小節間の全休止を書いています。
つまり、ここで終わったかのように見せかけて、実はまだ続きがありますよという、まさにだまし討ちの状態となります。
なので、ここで拍手をしてしまった方がいいでしょうねえ、その方が演出はバッチリ!
そして、曲は最後まで演奏後に繰り返しとなるので、このフライング拍手の部分はもう1度出現してきます。
その部分は27:11です。
ということで、フライング拍手を誘発する部分は合計2ヵ所となります。
さあ、これを日本で演奏するには、果たしてどうなるのでしょうか?
私なら、演奏者による多少の寸劇がここで必要になると考えます。
というのも、もしも拍手がなかったら、逆に試みは失敗に終わってしまうから、これはこれでギャグが滑ってしまう恥ずかしさが演奏者に出てきてしまいます。
サクラを用意するとか、指揮者とコンサートマスターによる演技とか、何らかの策が必要かな?
いずれにせよ、お客さんがここで楽しんでくれたら、天国のハイドンさんは喜んでくれるはずです。
せっかくだもの、凝った演出で楽しまないと、お客さんも演奏者も損しますよね。