当たり前のことですが、演奏前にはチューニングをすることが常識です。
大昔、私がコントラバスで大学受験を準備していた時、受験の半年前のレッスンで当時の先生から屈辱的なことを言われたことがありました。
「君はチューニングが出来ていない」
なんと、1時間のレッスンの大半をチューニングに費やしたことがありました。
レッスン代は1万円、当時の私はなんかぼったくられた気分でしたが、
時間が経過すれば「あの経験はとても大切だった」と思うようになりました。
ということで、器楽奏者にとってのチューニングは、とっても大切なこと。
これを疎かにすることは考えられません。
ですが、このチューニングを逆手に取ったユーモアを表現した曲があるのです。
ハイドンの交響曲第60番「うかつ者」の第6楽章に、その仕掛けがあります。
まずは、楽譜に書いてある仕掛けの説明。
次の演奏動画の23:20からが、第6楽章の演奏開始。
その10秒後に事件が発生します。
youtu.be
これ、「しまった、チューニングを忘れていた!」みたいな感じで、ヴァイオリンが突然チューニングをしだすという仕掛け。
ただねえ、これ、下手すると、お客さんに意図が伝わらず、「あれ、何をしているの?」となってしまって、結果ウケないという悲劇が待っているかもしれません。
ならば、どうすればお客さんは笑ってくれるのか?
ありますよ、演奏者や指揮者が演技をすればいいのです。
参考として、「そこまでするか!」という演奏動画を紹介します。
第6楽章開始は23:30、いきなり仕掛けがあります。
youtu.be
演奏開始からヴァイオリンがひどい音程で演奏、指揮者が呆れてしまう、そしてチューニング開始、そして演奏再開。
これはインパクトがありますね。
ということで、ハイドンの交響曲は、思わず笑ってしまう仕掛けがいろいろとあって楽しいですね。
いっそのこと、この仕掛けばかりを並べて演奏会なんて存在しないのかなあ?
交響曲第45番「告別」の第4楽章はオーケストラ奏者が段々ステージから退場していくという仕掛けだし、
交響曲第90番の第4楽章は、終わったように見せかけて拍手を誘い、実は終わっていませんでしたよと騙してしまう仕掛けだし、
今回紹介した交響曲第60番「うかつ者」の第6楽章もありますしね。
これらの作品を並べてしまうと、お客さんは理屈抜きで楽しくなってしまうかもしれませんねえ。