今月から指揮者業務が復活した私なのですが、
指揮者として楽曲の勉強をすることは、当たり前のことですがとても大切。
そこで、現在勉強している曲で気になる曲のことを。
その曲、「ハイケンスのセレナーデ」のこと。
作曲者のジョニー・ハイケンス、そして曲の存在を、不勉強な私は知らなかったのでした。
そして、この「ハイケンスのセレナーデ」という曲しか、現在ではほとんど知られていないということ。
実際に曲を聴いてみると、実に愛らしい、かわいい曲。
さて、私がこの曲を知らなかったのは、世代の壁かもしれません。
日本では戦時中のラジオ番組でテーマ曲として採用されていたというのですから、
そのラジオ番組を聞かれていた年代の方々には馴染みがあるのかもしれません。
また、戦後に国鉄がこの曲を使われるようになり、現在でも鉄道関係で使用されていることから、鉄道ファンにとってはよく知られた作品なのでしょうか。
そして、ふと気になった疑問。
戦時中のラジオ番組に使われたという「ハイケンスのセレナーデ」
でも、作曲家のハイケンスはオランダ人。
いわゆる「敵性音楽」というカテゴリで使用に問題はなかったのでしょうか?
恐らくですが、ハイケンスが当時ドイツ・ナチスの支持者であったこと、ドイツで演奏活動を戦争終結まで行っていたこと、
これらのことを踏まえると、問題なしと見るのが自然な解釈でしょうか。
ハイケンスとナチス、そんな黒い事実があったことと、
曲のキャラクターとの関連は皆無。
曲には全く責任はありませんからね。
でも、歴史的背景を知ると、なんだか興味深いことです。