中学1年生の音楽で、鑑賞教材として長年ノミネートされているものに、
シューベルトの『魔王』があります。
あの曲を中学生の頃に聞くと、特に日本語訳で聞いたら教室内は爆笑になったことを覚えています。
特に、「お父さん、お父さん」と絶叫するところなんて、教室内がうるさくなってねえ。
本来ならば、歌曲の王、シューベルトをしっかりと学習するための布石であり、
『魔王』が一人4役(語り、父、息子、魔王)の音楽劇の様相を味わったりと、
いろいろと学習目的はあるのですけども、
それをなかなか伝わりやすくした教材は見つからないですね。
なので、単なる爆笑なのか、退屈で寝てしまうなのか、そんな時間になってしまうことが想像できます。
数日前、NHKのEテレで「Classic TV ベートーヴェン・コンプレックス」という番組を見ました。
最近になって、テレビが変わり、録画が可能になったので、録画をしてみていたのですが、
まさかのシューベルトの『魔王』が歌われました。
その取り上げ方、実に学校の音楽鑑賞教材に使いやすい内容だったのです。
まず、日本語訳が現代の私たちに理解しやすいものだったこと、
そして、歌詞の役割ごとにカメラアングルを変えていたこと、
ピアノの難しさも上手く伝えていたこと、
そんなことに思わず「これ、教材に使える!」となった私。
ベートーヴェンの学習のつもりが、まさかのシューベルトの『魔王』の学習になったとは!
惜しむらくは、ピアノの前奏が一部カットされていたことぐらい。
でも、思わぬ収穫に喜んでしまった私でした。