私が非常勤講師として勤務している学校、
一部の学年の音楽の授業で、
音楽教育の鑑賞教材として、国内の中学校や高等学校で使用してきていることは周知の事実。
ただ、私は不思議と昨年まで取り扱ったことはありませんでした。
今年、いや今年だからこそ、取り上げました。
この作品を学校教育の現場で取り上げる意義は多岐に渡っていると思います。
その理由とは?
・ラヴェル編曲によるオーケストラ作品
→原曲がピアノの作品であるということは、生徒たちには案外認識不足になりがち。
なので、ピアノではこのように弾かれ、
ラヴェルの手によって編曲されたオーケストラではどのようになっているのか、
そこを学習することは大切。
つまり、編曲というものを知ることが勉強になるということ。
・曲の着想には絵画があったということ
→基礎となる絵画があり、
そこから着想を得て音楽が出来たということを知ることが大切。
実際に展覧会に足を運んでいるように感じさせるために、
プロムナードという部分が作られていることを知ることも大切。
美術教育と上手く連携すると、更なる学習効果が表れる可能性がある。
・平和学習
→今年の2月に勃発したロシアによるウクライナ侵攻、
学校現場では、この事案を取り扱うことには神経を注ぐことが求められる。
政治的中立を維持が求められる教育現場において、
この曲の終曲である「キーウ(キエフ)の大門」を取り扱うことには、
ある種の覚悟と勇気が教員に必要。
私は、今だからこそ、「キーウ(キエフ)の大門」を逃げないで取り扱うべきと考えた次第。
ということで、実際に授業で実践しました。
1時間目に編曲ということに着目して学習。
最初のプロムナードと第6曲の「サミュエル・ゴールドベルクとシュミュイレ」の編曲について学び、
編曲したラヴェルに関しては、昨年度にボレロを学習していたので、彼についての馴染みが生徒たちにはあったのは、私としては幸いでした。
私は原曲のピアノ版を弾くことに。
難しかったなあ。
2時間目には「キーウ(キエフ)の大門」を学習と鑑賞した後、
実際に数曲を旋律をキーボードで弾く、あるいはチームを編成してハンドベルで演奏する、
そんなことをしてみました。
次の時間に発表会を行いますが、
この作品を学ぶことそのものに意義を感じている私なので、
現段階での学習効果には満足しています。
本音を書けば、私も今回の授業を契機に多くのことを学ぶこととなり、
興味深い時間となりました。
面白そうでためになる本だなあと思ったのですけれども、
入手は困難かなあ?
図書館にでも探しに行くかな?