非常勤講師として勤務している学校、
ある学年で極めて実験的な音楽鑑賞をしました。
20世紀に生まれたクラシック音楽の中でも傑作中の傑作、
ここから20世紀が始まったとも断言してもいい作品。
ですが、初演の大騒乱に示されたように、20世紀最大の問題作でもあるのです。
ところで、この曲、なんと中学校2・3年生の教科書に音楽鑑賞教材として掲載されているのです。
高校の教科書にも掲載されていることも。
こんな難しい曲をどうやって扱うのか?
以前の私なら、完璧にスルーして、まず見向きもしなかったものです。
ところが、今年はストラヴィンスキー没後50周年。
先日、NHKのEテレで放送されていた「クラシック音楽館」でストラヴィンスキーが取り上げられていたのをきっかけに、
「これ、上手くレジュメを作成して、音楽鑑賞教材に出来ないかなあ」と思うようになったのでした。
そして、またまたNHKのEテレで放送の「クラシックTV」でもストラヴィンスキーの春の祭典を中心とした番組が放送。
お、これはとてもわかりやすく面白い構成だ、これなら子どもたちも興味が沸くかもしれないぞ。
ということで、またまたレジュメを再構成して、「クラシックTV」の方を抜粋で鑑賞。
いざ授業で実践。
番組そのものを20分ちょっとに圧縮して、番組鑑賞後に感想文を記入。
レジュメにある用語でキーワードとなるものをいくつか黒板に板書しておきました。
レジュメと番組と両方を上手く見比べられるようにしてみたのですが、
生徒たちの様子は集中して見てくれているように見受けられました。
感想文の内容は千差万別。
そりゃ、感じ方は生徒たち一人ひとりが違っていいのですが、
この作品の絶大なる影響を考えると、
やはり取り上げる意義は大変大きいと思います。
ひょっとしたら、コロナ禍の状況だから、こんなことを思いついたのかもしれませんね。
私自身も、この教材を今後も進化させていき、これからも上手く取り扱ってみようかなあと思っています。
これがきっかけで全曲聞いてみる生徒さんがいるかもしれませんね。
ただし、全部聞くには子どもたちにはなかなかハードルが高いのですけれども。