本日、京都府京田辺市にて、ウクライナ支援チャリティーコンサートに出演してきました。
多くの方々のご来場ありがとうございました。
ウクライナ侵攻の状況が長期化しています。
こうなると、どうしても風化してしまい、人々の記憶や認識から薄らいでしまうこととなってしまいます。
ところが、現状ではまだまだ大変な状況にあることから、
継続的な支援が必要とされることは容易に想像できます。
音楽家である私には、こういったチャリティーコンサートに出演することで、
継続的な支援を意思表示できると信じています。
このコンサートは主催者の思いにより3月から今日まで3回開催されました。
本来ならば、もうこのコンサート開催は最後にならなければならないものなのですけれども、
現状はまだまだ継続が必要ということなのでしょうか。
ということで、ウクライナのキーウ出身の作曲家であるグリエールの作品、
今回もコントラバスの貴重なオリジナル曲である間奏曲(インテルメッツォ)を、
心を込めて、祈りの気持ちを表したく演奏させていただきました。
もう一つ、今回の公演で、バッハの「G線上のアリア」を弾きました。
今回はボッテジーニ版を使用しつつ、私独自の改訂を行っての演奏となりました。
(以下、やや専門的な演奏内容の解説となります。)
<調性>
まず、ボッテジーニ版はソロチューニングでト長調の演奏となるのですが、
オーケストラチューニングでの演奏でしたので、そのまま演奏するとヘ長調となるはずでした。
ですが、今回は敢えてオーケストラチューニングのままでト長調の演奏を採用。
<繰り返し>
通常、この曲の繰り返しは「前半はありで後半はなし」というパターンが多いのですが、
今回は繰り返しを全て実施。
その代わり、1回目をボッテジーニが書いた音域のオクターブ低く演奏、
2回目をボッテジーニが書いた音域を演奏しました。
この結果、1回目のパッセージはかなり低い音域となり、会場ではなかなかクリアに聞き取りにくい可能性を孕んでいましたが、
2回目の高音域が出現することにより、コントラバスの持つ音色の豊かさを味わえることが出来ると思ったからです。
今日の会場、実は空調の音がかなりうるさかったので、低い音域は聞こえが悪かったかもしれませんが、
私の中では、手ごたえを感じています。
いわゆる従来型の「G線上のアリア」を弾くより断然難しくなり、
特にオクターブの跳躍があるパッセージには、かなりの難しさがあるので、
弾きにくいことには間違いないのですが、
楽器としてはとてもよく鳴る内容でしたし、
お客様には、コントラバスの味わいが広がるものと感じられましたので、
今後は、今回の版で演奏することとなりそうです。
ただし、「G線上のアリア」と言っておきながら、実際はG線とD線の2つの弦を使用していますので、
タイトルに偽りがありますけれども。
う~ん、滅茶苦茶にマニアックなことばかり書いてしまいましたが、
付いてこられましたか?
さて、明日からはピアニストに変身します。
来月1日の一般非公開の発表会にて、ピアニストとして伴奏業務があるからです。
早速、明日からあわせ練習が始まります。
がんばろう!