今日は楽典の話題から。
私がコントラバス奏者としてこれまでにいろいろと弾いてきた曲の中で、
嬰ヘ短調という調性が主調の曲を何回か弾いてきています。
楽譜の調号はこんなもの。
コントラバスソリストなら、クーセヴィツキーのコントラバス協奏曲を連想するはず。
これと同じ調性で私自身の苦い思い出がある曲がありまして、
それが、フランク作曲の交響的変奏曲(ピアノと管弦楽のための曲)
参考までに、演奏動画を貼り付けておきます。
嬰ヘ短調の調性でスタートするこの曲、曲の終盤になると同主調の嬰ヘ長調に転調します。
その調号は以下のもの。
♯の記号が6つもあるのです。
コントラバスに限らず、弦楽器奏者にとっては開放弦が全く使えないので、とても弾きにくい調性。
そうでなくても、譜読みがなかなかしんどい調性。
私が学生の頃、フランクの交響的変奏曲をオーケストラで弾いていた時、
この曲の嬰ヘ長調の部分が凄く嫌でした。
正直、演奏の思い出がないくらい。
ただ、今になって見ると、この嬰ヘ短調と嬰ヘ長調の同主調の関係が好きになってしまった私がいます。
その原因がハイドンの曲。
交響曲第45番「告別」がまず思い浮かぶのですが、
これら3曲とも、どこかに嬰ヘ長調が出現します。
同じ主音の長調と短調とのコントラストが気に入っている私でして、
交響曲第45番「告別」は、いつか弾いてみたいのにまだ演奏したことがないのが残念。
そして、実はある演奏会の企画で、ピアノ三重奏曲第26番(第40番)を弾く可能性があったのですが(チェロパートをコントラバスに置き換えての演奏)、
この企画がなくなってしまったという悲しい過去がありまして、
この2つの調性には、なかなか縁のない状況に。
今では、ピアノ三重奏曲の方のピアノパートを自宅で弾いて楽しんでいる私。
特に嬰ヘ長調はピアノで弾くと案外弾きやすいので、そこが楽しい部分でもあるかな?
ということで、最後にピアノ三重奏曲の方の演奏動画を貼り付けておきます。