コントラバス奏者 ひらてぃ~のブログ

コントラバス奏者・ピアニスト・指揮者として活動している平田昭浩のBlog

”ブンチャッチャ”の”ブン”の弾き方

ニューイヤーコンサートの定番はウィンナワルツ。

これに決まっています。

私もこれまでの演奏体験で、何度ウィンナワルツを弾いたことでしょうか。

 

昔、学生のころに演奏のお仕事があって、ウィンナワルツを弾いていた時、

指揮者の先生がえらくお怒りに。

コントラバスを弾いていて、ウィンナワルツの弾き方も知らないのか!」ということ。

 

 

また、別な機会で演奏することがあった際、あるヴィオラ奏者の方から

「ワルツの頭の弾き方は、ジャストで合わせなくて、少し早めに弾いていただけると、裏打ちはリラックスして弾けます」とのこと。

 

こんな感じで、弾き方を覚えていったように思います。

でも、これは、あくまでもステレオタイプな奏法の見本のようなもの。

これを守れば大丈夫、みたいなものではないと最近は思うように。

というのも、もっといろんなニュアンスがあるのではと考えるようになったのでした。

つまり、”ブンチャッチャ”の”ブン”の弾き方はいっぱいあると思うのです。

 

今月24日出演予定の演奏会、

ヨハン・シュトラウス2世の有名なワルツ「美しく青きドナウ」が取り上げられます。

不朽の名作であるこの曲を私はどうやって弾こうと考えるのか、

今回の公演ではコントラバス奏者が私だけということを理由に、勝手に解釈して先日の練習では弾いていました。

その中身とは?

 

・序奏のワルツが始まる時は、前のめりな感じでA(ラ)の音を8回弾く。

・第1ワルツの出だしは、ハープのアルペジオに絡めるように広がりを持ってD(レ)の音を弾く。開放弦で弾いて、音はやや伸ばし気味に処理する。

・フォルテになったら、弓の使用する割合を増やしてみる。あるいは、アクセントを付けてみる。

・和声によって、音量そのものを変化させてみる。

・第2ワルツ中間部は、流れるような旋律にハープのアルペジオが絡むので、少しだけ音を長めにして、でも重くならないように流れを止めないことにする。

・第3ワルツの出だしは、ややアタックがある音にする。

・第4ワルツの出だしは、ためらいながらも音の幅を持たせて、なおかつ遅れないように勇気を持って弾く。途中、トランペットのパッセージと会話をするように意識をする音が数か所。

・コーダの終盤、コントラバスはD(レ)の音しか弾かないのですが、物語が終盤にかけて追憶の風景になるよう、音が遠くに消えていくような処理をしていく。決して、全ての音が同じにならないように音量調整をする。

 

単純に「頭打ち」といわれるコントラバスの仕事、

でも、いろんな演奏の方法があるものだと思っています。

こんなに細かく書きましたけれども、もっと多くのことを考えて弾いているつもりです。

まあ、全てが伝わることはないでしょうけれども、

いわゆる「自己満足」ではなく、「こうすれば、きっと音楽が豊かになるに違いない」みたいな考えで弾きたいものです。